6月2日(月) 消費者問題に関する特別委員会で質問 斎藤知事問題更問い&配置転換への対応を!

国会活動(委員会議事録)

現行法でも、不利益取り扱いは禁止

大椿ゆうこ/ ここまで法改定の至らない点を指摘してきたが、改定案の解釈についても確認しておく。第3条第1項は、公益通報を理由として解雇そのほか不利益な取扱いはしてはならないと規定している。ここでは、解雇・配置転換・降格・減給・退職金の減額・嫌がらせ等、不利益取扱い全般を包括的に禁止しているということで相違ないか。

政府参考人[消費者庁]/ 改正後の第3条第1項は、公益通報をしたことを理由とする不利益な取扱いを禁止するものであり、ここで言う不利益な取扱いにはあらゆる不利益な取扱いが含まれる。

大椿ゆうこ/ 第3条第2項における懲戒は、就業規則又は労働契約で定められた制裁とされているので、戒告・譴責・減給・出勤停止・降格・降職・諭旨解雇・懲戒解雇といった懲戒処分全般が対象となり、第3項の立証責任の転換も懲戒処分全般に及ぶという理解で相違ないか。

政府参考人[消費者庁]/ 改正後の第3条第2項に規定する懲戒については、戒告・譴責・減給・出勤停止・降格・降職・諭旨解雇・懲戒解雇も含め、全て該当し、公益通報を理由とする場合には無効となると認識している。また、第3条第3項に規定する立証責任の転換も、懲戒は全て対象となる。

大椿ゆうこ/ オリンパス事件の当事者・濱田正晴さんから、公益通報に該当し得る通報を行っても、先に服務規定違反と言われてしまえば会社に処分されてしまう、公益通報者保護法よりも服務規定の方が優先されてしまうことが問題だと話されていた。例えば、就業規則において情報漏洩を懲戒処分とすると規定されており、通報のための資料の持ち出しを行った労働者を懲戒処分した場合、公益通報を理由とした懲戒ではなく、情報漏洩という就業規則違反を理由にしたものであることから、第3条第2項が定める特定不利益取扱いに該当しない(そのため、その懲戒は有効だ)と主張される可能性がある。第3条の趣旨に照らせば、そのような解釈は制限されるのか。

政府参考人[消費者庁]/ この点については、裁判において、当該懲戒処分の主たる動機が公益通報をしたことに対する報復等を目的とするものと認められるかどうかによって決まると考えている。この判断に当たっては、例えば、懲戒処分に至る経緯、懲戒処分の内容、懲戒処分の対象行為と公益通報の密接性、不当な動機の存在を基礎付ける事業者側の言動の有無、ほかの正当な動機の存在を基礎付ける合理的な理由の有無等、様々な事情が考慮される。このため、事業者が形式的には公益通報以外の事由を理由として行った懲戒処分であっても、事案の内容次第では実質的に公益通報を理由とする不利益な取扱いに該当するものと判断される場合がある

顧問弁護士が窓口ではおかしい!

大椿ゆうこ/ 先ほどの質問でも紹介した製薬会社「アレクシオンファーマ」の小林まるさんは、会社の内部通報窓口がきちんと対応しなかったため、親会社が社外通報窓口と指定していた日本の弁護士に相談した。しかし、その弁護士は、配置転換の無効を訴えた裁判で被告である会社の代理人を務めた。小林さんは裁判の中で、「内部通報を原因とする労使紛争に、当該通報の調査を担当した弁護士が企業側代理人に就くことは、通報制度の信頼を根本から失わせ、弁護士倫理のうえからも禁忌すべきものである」と主張した。かつて、消費者庁で公益通報保護法を担当していた淑徳大学コミュニティ政策学部の日野勝吾准教授も、「せっかく法改正で内部通報の受け付け体制を整備して、組織の自浄作用を高める仕組みづくりをしたのに台無しになる恐れもあります。内部通報に関与した弁護士が、裁判となったら会社側に付いて反証したり立証したりしていては、さすがにそれはフェアではない。これが通用するのなら誰も内部通報などしなくなる」と語っている。これは公正な裁判を受ける権利の侵害ではないか。

2021年10月に出された「公益通報者保護法に基づく指針の解説」には、「いわゆる顧問弁護士を内部公益通報受付窓口とすることについては、顧問弁護士に内部公益通報をすることを躊躇する者が存在し、そのことが通報対象事実の早期把握を妨げるおそれがあることにも留意する」と書かれている。今般の法改正に伴い、新たに法定指針やその解説を作ることになると思うが、顧問弁護士のような会社の代理人を務める者は通報窓口になってはならないとはっきりと書くべきではないか。

政府参考人[消費者庁]/ 一般に顧問弁護士については、その業務の態様は様々であり、必ずしも労働分野を扱っているとは限らないため、一律に顧問弁護士が通報窓口を担当することを禁止することまでは考えていない。一方で、公益通報者保護法の法定指針におきましては、公益通報対応業務における利益相反の排除に関する措置を定めており、指針の解説においてこの措置について推奨される考え方を示している。内部通報窓口を設置しても、労働者等が安心して通報できる体制でなければ形骸化してしまう懸念がある。消費者庁としましては、事業者が内部通報制度を実効的に機能させるための取組の具体例について周知に努めていきたい。

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