「国会同意人事案件」聞き慣れない言葉です。私も最初、何のことを指すのかわかりませんでした。
「国会同意人事案件」とは
一定の独立性、中立性が求められる機関の構成員の任命について、各機関の根拠法に基づき、内閣が両議院の事前の同意又は事後の承認を求めるものです。
本日の厚生労働部門会議(法案等の説明や勉強会の場。通常朝8時頃から行われる)は、厚生労働省に関連する「労働保険審査会委員」「中央社会保険医療協議会公益委員」「中央労働委員会公益委員」の任命について、厚労省から説明を受け審査を行いました。
「労働保険審査会」とは、労災保険及び雇用保険の給付処分に関して、第2審として行政不服審査を行う国の機関です。
「中央社会保険医療協議会」とは、診療報酬や薬価など、公的医療保険から医療機関等に支払われる公定価格を決定する権限を有する厚生労働大臣の諮問機関です。
「中央労働委員会」(通称:中労委)は、労働組合法に基づいて設置され、同法及び労働関係調整法、行政執行法人の労働関係に関する法律に基づき労働者が団結することを擁護し、及び労働関係の公正な調整を図ることを任務としている国の機関です。
中央労働委員会の公益委員は労組法に精通した人を
三機関の人事に関し、特に意見が出たのが中央労働委員会の人事に関してでした。
1名、新たに追加される公益委員に関する質問が行われました。労働委員会は公益・労働者・使用者のそれぞれを代表する委員から成り立っている、三者構成の委員会です。特に公益委員は、中立の立場に立って調整・判断を下す立場にあります。「公益委員は、労組法に精通した人物であるべきではないか、この人事は適切か?」などの意見が交わされ、私も意見を述べました。
中央労働委員会に関する質問
昨年11月16日、厚生労働委員会での初質問の場で、中央労働委員会に関連する質問を行いました。
これらの事件に代表されるように、(今回の人事に限らず)最近では、日本労働者弁護団、労働組合などからも、現在の中労委公益委員に対する疑義が出ていることを厚労省の方々に伝えました。かつて中労委で闘った経験がある者としては、公益委員には、労働者が団結することを擁護する中労委の使命を理解し、労組法に精通した人物が必要だと考えると念を押しました。
最終的には、部門長に一任することになりましたが、厚労省の方々に、中央労働委員会の公益委員に求められるものは何かを問いかけることができる良い機会になりました。
久々に、自分の雇い止め解雇事件にかかわり、定期的に中労委に通っていた時のことを思い出しました。
公益委員や使用者側委員から失礼な態度を取られたこともあったな。
あの時の使用者委員、最初から「金銭解決しろ」とか言ってきたよな。
全然やる気なかったよな。
国会議員になり、厚生労働委員会の委員になると、中労委の公益委員の人事に関し審査する立場に立てるということも、中労委で全面棄却された当事者としては、なんだかとても感慨深かったです。