3月25日(月) 「強制動員問題の解決を!韓国原告の家族・遺族の声を聞く集い」

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3月25日(月)、衆議院第二議員会館にて「強制動員問題の解決を!韓国原告の家族・遺族の声を聞く集い」が開催されました。それに合わせて韓国から、日帝強占期に強制労働をさせられた被害者のご家族やその弁護団のご一行が来日され、大椿ゆうこの事務所にもお越し下さいました。

原告の家族・遺族の皆さんは、強制労働をさせた日本の企業を「戦犯企業」と呼んでいます。具体的には、日本製鉄・三菱重工業・不二越・日立造船を相手取って裁判されています。被害者の皆さんはご高齢で、中には訴訟の途中で逝去された方もいらっしゃいます。ご家族の皆さんは、訪日が叶わなかった被害者の声を代弁し、未だに真の謝罪・賠償が行われていない現状への怒りを伝えて下さいました。

今回のご家族の訪日や院内集会を設定して下さったのは、市民団体「強制動員問題解決と過去清算のための共同行動」の皆さんです。貴重な活動に心から敬意を表します。

院内集会で思いを語って下さったのは以下の3人です。

  • 李春植(이춘식・イチュンシク)さん(日本製鉄訴訟原告)の長女・李杲賱(이고운・イゴウン)さん
  • 鄭昌喜(정창희・チョンチャンヒ)さん(三菱広島訴訟原告)の長男・鄭鐘建(정종건・チョンジョンゴン)さん
  • 梁錦徳(양금덕・ヤンクムドク)さん(名古屋三菱訴訟原告)の三男・朴相雲(박상운・パクサンウン)さん

大椿ゆうこは昨年7月に訪韓した際、正義党の姜恩美議員のご協力で、光州の梁錦徳ハルモニの下を訪ねました。その際、20分ほどの面会時間の間に、「(日本で働かされていた時)韓国人はバカだバカだと言われた。韓国人はバカじゃない」と繰り返し話されていたことが忘れられません。大椿ゆうこは集会の挨拶の中でもそのことに触れ、感極まり、泣きながら「日本企業も日本政府も謝罪・賠償をせず、みなさんに未だに理不尽な闘いを強いていることに、日本の国会議員として本当に申し訳なく思う」と述べました。

2018年韓国大法廷は、強制労働被害者に対する「個人請求権は消滅していない」として、日本製鉄(当時は新日鉄住金)・三菱重工業に賠償を命じる判決を言い渡しました。また、2023年12月から2024年1月にかけて大法院で継続中だった訴訟についても、全て被告企業の上告を棄却する判決が下されました。一方、日本政府は「1965年の日韓請求権協定で、完全かつ最終的に解決した」との立場です。

さらに、韓国・尹錫悦政権は韓国政府傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」が日本企業が払うべき賠償金相当額を肩代わりする「第三者弁済」の方針を発表しました。被害者の原告は、加害企業に免罪符を与える第三者弁済を、「被害者の判決を奪うもの」として明確に拒否されています。梁ハルモニも息子の朴相雲さんに、「私が死んでも絶対に第三者弁済は受け取るな」と伝えているそうです。

遺族・弁護団・市民団体の皆さんは、この日の午前中、被害者との対話に応じ、謝罪・賠償をするよう求めて、日本製鉄・三菱重工業・不二越各社を訪問されたそうです。しかしながら、全社とも韓国からお越しになった一行を門前払いしました。大椿ゆうこは集会で、日本・韓国の両政府が介入することで当事者間での解決が難しくなっているが、本来は加害企業が誠実な謝罪と賠償を行い、二度と同じ過ちを繰り返さないために後世に伝えていくことが求められている。日本政府がやるべき事は、加害企業に責任を取ることを働きかけること、労働者は不当な扱いに対して納得するまで闘って良いのだと、日本政府・企業の姿勢を批判しました。

院内集会後半では、林宰成弁護士が「韓国における強制動員訴訟の現状」と題した特別報告をされました。林弁護士は、支援財団による第三者弁済供託申請について、韓国の地方法院が軒並み不受理としていることを紹介されました。韓国の司法は、第三者弁済は「損害賠償制度の趣旨や機能に照らして著しく不当」「加害企業に免罪符を与える」等の判断を出しています。また、ILO専門家委員会も、被害者が高齢化する中で日本政府が問題解決のための具体的措置を全く講じていないことを懸念し、生存被害者の救済のためにあらゆる努力を尽くすよう求める報告書を出しています

大椿ゆうこは、日本が過去に犯した強制労働を反省していないことが、現在の外国人技能実習制度に繋がっていると指摘しました。ご高齢になられた被害者の皆さんに、一刻も早く尊厳と安寧が取り戻されるよう、日本政府・企業が真摯な謝罪・賠償をすべきです。引き続き、大椿ゆうこもこの問題について取り組んで行きます。

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