3月30日(土) 神奈川県内基地視察(相模原・座間・厚木・横浜ND)

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横浜ノースドック(在日米陸軍等)

相鉄で横浜市内に入り、この日最後に向かったのは横浜ノースドック。中華街や山下公園といった歓楽地から目と鼻の先の「瑞穂埠頭」にあり、在日米陸軍基地管理本部等が管理し、第836米陸軍輸送大隊・在日米海軍横須賀補給センター・日本区域艦船支援隊等が使用していると言われています。加えて陸上自衛隊も一部を共同使用しています。

横浜ノースドックを案内して下さったのは、リムピース編集委員で、神奈川県内の基地の動きを日々監視されている星野潔さんです。一緒にランドマークタワーの展望台に上がり、高速輸送艦・音響測定艦(南シナ海での中国軍の活動を監視するため、潜水艦の音響データを取る船)・小型揚陸艇が並ぶ様子を眺めました。きらびやかな遊園地にほぼ隣接する場所に軍用船がいる様子は何だか異様です。ノースドックは基地ではないのに、オスプレイもヘリモードで飛来することもあるそうです。

横浜ノースドックでは、今年2月8日から小型揚陸艇部隊「第5輸送中隊」の運用が始まりました元々防衛省は船舶や物資の「保管場所」と説明していたのに、地元との事前調整もなく突如「部隊拠点」が作られたことに地元は反発、横浜市長・黒岩県知事も難色を示しています

突然の揚陸艇部隊の配備は、実は米軍の中国封じ込め戦略と大きくかかわっています。防衛省の資料によれば、琉球弧の島々を転々としながらミサイル戦争を継続する機動展開前進基地作戦(EABO)を行う米軍の海兵沿岸連隊(MLR)への迅速な人員・物資輸送を行うために、ノースドックに船舶運用要員を常置するとされています。沖縄の島々を戦場にしようとする流れと、横浜が密接につながっています。

ノースドック手前の村雨橋は、先述したベトナム戦争時の「戦車闘争」で、戦車を載せたトレーラーの通過を阻止する闘いが行われた場所です。重量が一定以上の車の通行を制限する車両制限令を盾に、当時の飛鳥田一雄・横浜市長(のちの日本社会党委員長)が市道管理者として戦車の輸送を阻止しました。「街を戦争に加担させてはならない」という当時の方々の思いを、しっかり継承したいと思います。

星野さんから米艦船やノースドックの説明を受けているとすっかり夕方になりました。基地問題と言うと沖縄に目を向けがちですが、神奈川にも重い軍事負担が課せられており、「戦争をする国作り」に巻き込まれていることを学ぶことが出来ました。

ちなみに、今回の視察で訪れた基地・軍施設は、軒並み重要土地規制法の4回目の区域指定の対象とされています。特にキャンプ座間は司令部があるからか、「特別注視区域」に指定されています。今回のような視察がすぐにできなくなるわけではないと思いますが、市民生活にどのような規制がされるか周辺住民や不動産の持ち主にも十分な説明がされていないとのことです。

市民の暮らしが知らぬ間に軍隊に巻き込まれることがないよう、日々基地や軍隊の動きをチェックされている皆さんに感謝して横浜を後にしました。

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