3月31日(日) 神奈川県内基地視察(池子・横須賀)

その他

横須賀海軍施設(在日米海軍・海上自衛隊)

汐入駅で京急を降り、深浦ボートパークへ移動。約40年にわたり、横須賀の海における軍事活動を監視してこられた「ヨコスカ平和船団」の皆さんと合流しました(鈴木茂樹・船団長他、新倉裕史さん・木元茂夫さんはじめ、たくさんの方にお世話になりました)。強風で波が高い中ではありましたが、皆さんのご厚意で平和船団のボートに乗せて頂き、在日米海軍・海上自衛隊の軍用艦を間近で見ることが出来ました。

横須賀は旧日本海軍の横須賀海軍工廠や海軍砲術学校などが置かれ、まさに「軍港」として近代を歩んできました。日本の敗戦後、施設は米軍に接収され、現在の横須賀海軍施設が作られました。在日米海軍司令部が置かれ、第7艦隊旗艦/司令部の揚陸指揮艦「ブルー・リッジ」や第7艦隊第5空母打撃群司令部が置かれる原子力空母「ロナルド・レーガン」を含め、13隻の艦船が横須賀を母港としています。また、海上自衛隊施設も隣接しており、自衛艦隊・護衛艦隊等の司令部が入る「海上作戦センター」も置かれています。米海軍の海外母港は日本以外にもありますが、戦闘能力と修理能力を合わせ持つ海外母港は世界で横須賀だけということです。

ボートパークを出て最初に見たのは米軍の弾薬庫(浦郷倉庫地区)。海沿いの崖に弾薬庫が並び、外にはミサイルも積み上げられていました。倉庫地区では、弾薬の積み込みを簡易化するため、現在米軍が新たな専用桟橋を建設中。日曜だというのに作業が行われ、監視船が警備に当たっていました。

すぐ隣の自衛隊施設エリア(長浦港)に入ると、海上自衛隊試験艦「あすか」(ASE6102)と護衛艦「てるづき」(DD162)が目に飛び込んできます。「てるづき」の横を通ると、対空戦・対水上戦に備えて装備されたミサイル・艦砲・レーダーがはっきり見え、背筋が凍ります。その傍に停泊中の海洋観測艦「わかさ」(AGS-5104)を眺めながら進むと、立派な建物に目を引かれます。これが「海上作戦センター(船越庁舎)」。「この中で日米両軍の一体化がすすめられているのか」などと考え込んでしまいます。

長浦港を一周し、吾妻島を通って横須賀本港に向かいます。吾妻島対岸には海上自衛隊のミサイル格納庫・比与宇弾薬庫が並んでいます。日米が共同開発した新型迎撃ミサイル「SM-3ブロックIIA」が保管されるかもしれないという格納庫・弾薬庫には、避雷針の他、暴発を想定した土塁が備え付けられていました。

そしていよいよ米海軍横須賀基地へ。バースには名だたるイージス駆逐艦が並びます。「マッキャンベル」(DDG85)は、3月25日~28日の間、自衛隊へのトマホーク導入に向け、米軍が海上自衛隊員への訓練を行った際に使われたイージス駆逐艦です。「敵基地攻撃能力」保有のため自衛隊がトマホークを持つようになるのは2025年から。その一年前に行われた訓練は、エマニュエル駐日大使自ら視察しました。酒井良海上幕僚長は3月26日の記者会見で、自衛隊と米軍が攻撃目標情報を共有し、トマホークを用いて同じ目標を攻撃することは可能だという認識を示し、「実施するかどうかはその時の戦術判断による」とも述べました。日米一体となった「敵基地攻撃能力」行使への流れに、地元では危機感が高まっています。

その隣の「ラファエル・ペラルタ」(DDG115)は、3月11日~13日に石垣港沖合に寄港した駆逐艦です。現地の港湾労働者がストライキを行うなど、地元の強い反発を受けたにもかかわらず寄港を強行した駆逐艦ですが、3月22日には横須賀に帰港したそうです。石垣港への寄港は「休息・補給」が目的とされていましたが、そんなにすぐ横須賀に帰れるのなら、石垣に寄る必要があったのか、疑問を抱かざるを得ません。

そして最後に姿を現したのが原子力空母「ロナルド・レーガン」(CVN76)。改修のため、今年春には横須賀を出ることになっていますが、それに入れ替わる形で今年後半、大規模修繕・装備更新工事を終えた原子力空母「ジョージ・ワシントン」(CVN73)が横須賀に配備されることが予定されています。地元では「原子力空母母港化の是非を問う住民投票を成功させる会」が立ち上がり、「3000人市民アンケート」等を行いながら、横須賀を恒久的な原子力空母の母港にする流れに反対しておられます。

横須賀ではPFAS問題も深刻。米軍基地の排水から、国の指針値(PFOS・PFOA合計で50ng/L)の200倍を超える濃度のPFOS・PFOA検出されたと報道されました。有害物質が川や地下水を経ず、直接海に流れ込むのが横須賀の特徴です。市民は基地内への立ち入り調査を求めていますが、米軍は拒否し続けています。

米軍基地では強風に耐えながらボート上で横断幕を掲げ、マイクアピールを行いました。「非暴力」を貫く平和船団の皆さんは、海上保安庁とも穏便な関係を保っておられ、特段の妨害を受けることもなく基地の実相を学ぶことが出来ました。

月例デモで平和を願う

視察の締めくくりは「月例デモ」。16時にヴェルニー公園に集合し、30分ほどの集会を行ったのち、1時間ほどかけて横須賀市役所までデモ行進しました。「よろずピースバンド」の皆さんオリジナルの反戦平和歌の他、基地監視を続ける方々からの現状解説を交えた、楽しく、かつ学びが深まるデモです。

デモは海上自衛隊横須賀地方総監部・在日米海軍横須賀基地司令部を経由し、ゲートの前でマイクアピールを行いました。自衛隊の前では、「自衛官の皆さんに、戦争協力の過程で命を落としてほしくない。隊内で戦争反対の声を上げて欲しい」と呼びかけました。

修理機能も備えた横須賀は、基地従業員の多さも特徴です。一度戦争が終われば、基地を抱える街、基地周辺で暮らす人たち、そして基地で働く人たちが真っ先に危険に曝されます。

「絶対戦争はさせない」 社民党は、「がんこに平和」を貫き、平和を作ります。

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