6月11日(火)は消費者問題に関する特別委員会で質問を行いました。テーマは、全国で注目を集める万博会場の安全性確保について。3月28日にメタンガス爆発事故が起きたことを受け、会場は本当に安全なのか、万一事故が起きればどこが責任を取るのか、危険な会場に子どもたちを動員して良いのか、徹底的に追及しました。
昨年11月29日の参議院予算委員会で、福島みずほ党首がメタンガス爆発が起きるリスクを取り上げ、自見はなこ・万博担当大臣に質問しました。その際、自見大臣は「ガスは大気拡散されているので、万博の開催時に危険はない」旨の答弁をしています。結局事故が起きてしまい、「危険はない」という答弁は嘘であったと判明した訳ですが、事故後の会見でも大臣は誤信をお認めになっていません。
今回の委員会は消費者担当大臣として出席されるということで、所掌外である万博については答えられないということでしたが、消費者の安全確保を担当される大臣として、真剣に聞いていただきたいと質問に臨みました。
質疑のハイライトをご紹介します(※発言は適宜要約・省略しています)。質疑全体は、参議院インターネット審議中継からご覧いただけます。
情報伝達すら出来ない無責任体制!?
大椿ゆうこ/ 3月28日に発生したメタンガス爆発事故の概要と原因、及び施工事業者・博覧会協会が事故後に取った対応はどんなものだったか?
政府参考人[経産省]/ 当日の時系列は下表の通り。
時刻 | 出来事 |
---|---|
10:55 | 事故発生 |
11:16 | 施工事業者が博覧会協会に連絡 |
11:59 | 施工事業者が労働基準監督署に連絡 |
14:59 | 施工事業者が消防署に連絡 |
現場対応を行いながら必要な部署への連絡が行われたと承知している。消防への連絡については、火災は起きていなかったという認識で、負傷者もいなかったため、結果的に通報が遅れたと聞いている。今後同様の事象が起きた際には、労働基準監督署と同様に消防へも速やかに通報するように、博覧会協会から施工事業者へ指導を行っている。
大椿ゆうこ/ 博覧会協会から経済産業省に連絡をした時間は18:27と、事故発生から約7時間半経過した後だった。情報伝達に問題があったとは思わないか?
上月良祐経済産業・内閣府副大臣/ 施工事業者から博覧会協会への報告は、事故発生から約20分後に行われている。その後、施工事業者が労基署や消防署への連絡を行い、消防による現地確認を受けた後、経産省に報告するのが夕方になってしまった。
大椿ゆうこ/ 自見大臣は、消費者安全の確保に責任を持ち、消費者事故に関する情報提供を求める立場にある。消費者の安全を損なう事故が起きる蓋然性の高い場所に人を招くことは望ましくないと考えるが、一般論として大臣はどうお考えか?
自見はなこ消費者担当大臣/ 一般論として、イベント会場における安全性の確保は大変重要だと考えている。本委員会においては、所掌外であるため、万博担当大臣としてのお答えは差し控える。
大椿ゆうこ/ 万博来場者の安全性の確保について、土地の所有者・貸主たる大阪市、万博の運営主体たる博覧会協会、及び監督機関たる経済産業省は、それぞれどのように責任を分掌しているか? 仮に今回のようなメタンガス爆発事故が万博会期中に発生し、来場者が被害を負った場合、損害賠償責任はどこが負うか? 大阪市と博覧会協会が締結した使用賃借契約書の中に、そのことは書かれているか?
政府参考人[経産省]/ 万博の準備・運営については、万博特措法に基づき、その主体として博覧会協会を指定している。会場におけるガス爆発事故の防止を含めて、万博の準備・運営に係る安全確保については、博覧会協会が一義的な責任を負うものと考えている。その上で、経済産業省にも、万博特措法に基いて適切な対策が取られるよう博覧会協会を指導監督する責任がある。
大椿ゆうこ/ 今回の事故では経済産業省への迅速な情報伝達すらできておらず、責任者がはっきりしない無責任体制が出来てしまっているのではないかと感じる。万博開催地の夢洲はごみの埋め立て地で、メタンガス爆発事故が今後も起こらないとは限らない。こういった現状に対し、経済産業省としてはどう考えているか?
上月良祐経済産業・内閣府副大臣/ メタンガスの管理の責任については、まず大阪市に廃棄物処理法上の土地管理の責任がある。博覧会協会には、大阪市との使用貸借契約の履行責任がある。施工事業者には、博覧会協会との工事契約の履行責任がある。また経産省にも博覧会協会の監督責任があるため、四者それぞれに責任がある。迅速な情報共有は極めて重要であり、今後同様のことがないようにするが、同様のことが仮にあっても、迅速に対応できるようにしていく必要がある。