7/4 (木) メタンガス爆発博覧会協会レク~安全対策はどうなっているの!?~

活動ブログ

7月4日、大椿ゆうこは大石あきこ衆議院議員(れいわ新選組)・野々上愛大阪府会議員(立憲民主党)と共に大阪府庁咲洲庁舎を訪れ、「公益社団法人2025年日本国際博覧会協会」(以下、「博覧会協会」)の職員の方々から、万博会場における安全対策について説明を受けました。

GW/PW工区で規制値が違うのは何故?

まずは博覧会協会が6月24日に発表した「メタンガス等に関する会期中の安全対策」について、概要の説明を受けました。協会としては、ゴミの埋め立て地である夢洲においては、メタンガスが発生することを前提にし、その上で機械による強制換気等の「ハード対策」と、工事期間中・博覧会期間中のガス濃度測定値の公表という「ソフト対策」を講じると言うことでした。

一同がまず問題視したのは、3月28日の爆発事故後、グリーンワールド(GW)工区とパビリオンワールド(PW)工区において、作業の実施可否を判断するメタンガス基準値が異なっていると言うことです。4月19日に協会が発表した「会場建設現場における事故への対応について」においては、工事の施工事業者が安全作業環境確保手順書の見直しを行い、従前は労働安全衛生規則に従って30%LEL (1.5vol%)を基準値としていたところ、新たに5%LEL (0.25vol%)というより厳格な基準値を使うことが記されています。一方、PW工区においては事故後も従前と同じ30%LELという規制値が使われ続けています。

この場合、例えばGW工区で10%LEL (0.5vol%)の濃度のメタンガスが検出されれば工事は中断されますが、PW工区で同じ濃度が検出された場合には工事は継続されます。

GW工区とPW工区とで異なる基準値を設けている理由を問うと、博覧会協会からは「両工区は土地の成り立ちが違うから」との返答でした。有機物を多く含むゴミの埋め立て地であるGW工区は多量のメタンガスが発生するので厳しい基準値が必要である一方、建設残土や浚渫土砂で構成されているPW工区はメタンガスが出にくいので基準値を厳格化する必要はないというのです。しかし、メタンガスの性質は、工区をまたいでも同じのはずで、「GW工区において危険な濃度がPW工区においては安全とされる」というのは不合理です。PW工区においても、GW工区同様の厳格な基準値を用いるべきだと主張しましたが、博覧会協会側からは「土地の成り立ちが違う」という同じ答えが返って来るのみでした。

しかし、協会が示したガスの測定結果を見れば、PW工区でもメタンガスが検出されており、そのうち1カ所(No. 2)では、従来の規制値である30%LEL (1.5vol%)という値が検出されています(下図参照)。また、PW工区が位置する夢洲2区・3区は、Osaka Metro中央線延伸工事に伴って地中のメタンガスが検出され、同工事は追加の予算を投じて防爆対策を行った経緯があります。「PW工区からはメタンガスが発生しにくい」という前提そのものに疑義が呈されています

そもそも3月の事故後に5%LELという厳しい基準値を使うようになったというのは、事業者の安全作業環境確保手順書の見直しによるもので、協会が工事に関わるあらゆる事業者に一律に適用させるものでもないようです。協会側に、事故を受けて安全対策を厳重にしようという意志があるかすら疑問です。

事故後もメタンガスの発生は止まっておらず、「同様の事故が再発するのでは?」と不安視する方も多いはずです。現場で工事に当たる労働者の方の中には、「毎朝(3月に事故が起きた)東トイレ棟で基準を超えるメタンガスが検出されている」と話す方もいるそうです。

教育現場に圧力を掛けるな!

博覧会協会は「ソフト対策」として、「工事期間中も、測定結果を定期的に公表」するとしています。「データを速やかに公表すべき」との議員団の求めに対し、博覧会協会はどのようなデータをいつ公表するか、具体的なことは何も答えませんでした。「6月24日にこれまでの測定値を公表したので十分」ということには絶対ならず、出来るだけ高頻度で測定値の公表を続けるべきではないでしょうか。

博覧会期間中は毎日ガス濃度測定値を公表すると言いますが、メタンガス爆発のリスクを心配しながら集客するというイベントなど、前代未聞ではないでしょうか。大椿ゆうこは、文部科学省・大阪府教育庁・大阪市教育委員会が校外学習等に万博を活用するよう小中学校に勧奨していることを問題視し、教育現場に「万博に行け」という圧力を掛けてはならないと強調しました。とりわけ大阪の教育現場には大きな圧力が掛けられていますが、万一事故に遭った場合、責任を問われるのは現場の教員です。「万博活用を促すのは止めるべき」と念を押しました。

最後に、議員団から協会に事故現場の視察をさせるよう求めました。博覧会協会は7月2日、報道陣を事故現場に入らせています。協会側に視察を拒む理由はないはずで、今夏にも視察出来るよう、引き続き求めていきます。

1時間半ほどの説明を終え、たくさんの疑問点や追及すべき点が見つかりました。3人の議員で疑問点を急ぎ集約し、本日早速経済産業省博覧会推進室、及び博覧会協会に対して質問状を送りました。1週間をめどに回答して頂くようお願いしておりますので、続報があり次第ご報告致します。

経産省に対する質問状 (pdf)

博覧会協会に対する質問状 (pdf)

博覧会協会のある咲洲庁舎43階から見た夢洲。木製リングやいくつかのパビリオンの建設が進んでいる。

メタンガス爆発事故が起きたGW工区

咲洲庁舎のロビーには、万博関連の掲示がずらり

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