2月18日 (日) 「市民と国会をつなぐ連続フォーラム第2回 改正入管法」

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技能実習制度の廃止と「育成就労制度」の創設

「外国人材の受け入れ・共生に関する関係閣僚会議」は2月9日、従来の技能実習制度を廃止し、「育成就労制度」を新設することを決定。

従来の技能実習制度の問題

●1993年開始。2010年の入管法改定により、技能実習生も労働者の地位を獲得し、労働基準関係法令(最低賃金法を含む)の適用を受けることに。

●しかし、転籍が制限され、雇用関係から離脱するという労働者の権利を奪われる。結果、過酷な労働や賃金不払い等の人権侵害が横行。

●実習生と企業の間に立って支援・指導する非営利の「監理団体」も、適正に機能しない。
※2021年度は、外国人技能実習機構が実地検査を行った監理団体・受け入れ企業の三分の一以上で法令違反が発覚。

●劣悪な労働環境に耐えられず、「逃亡」した外国人労働者は9006人(2022年)。
※2022年には岡山市の建設会社で、ベトナム人技能実習生(当時41歳)が、肋骨3本が折れるほどの暴行を受けていたことが発覚。元従業員4人が暴行と傷害の疑いで書類送検された。

●技能実習生は、妊娠すれば帰国させられることが常態化。2019年3月11日、法務省・厚生労働省・外国人技能実習機構は3者連名で「妊娠した技能実習生に対しても、日本人労働者と同内容の保護と不利益取り扱いの禁止が適用される」旨を通知したが、状況は改善されず。
※2020年11月19日、熊本県南部のみかん農園で働くベトナム人技能実習生レー・ティ・トゥイ・リンさん(当時21歳)が双子の赤ちゃんを死産し、死体遺棄容疑で逮捕・起訴された(2023年3月24日に最高裁判所第二小法廷で無罪が確定)。ベトナムに無理やり帰国させられることを恐れ、雇い主・妊娠の相手方にも、誰にも妊娠を伝えられなかったという。

新しい「育成就労制度」の概要

●外国人の受け入れ目的に、「人材確保」を追加。事実上の移民労働者を受け入れる制度に。

●新制度の期間は3年。対象分野は介護・建設・農業等、特定技能制度と同じ分野に限り、期間内で「特定技能1号」に移行できる水準まで技能を養成する。

●現在の技能実習制度では3年とされていた転籍制限は、当面の間、分野ごとに1~2年の間で設定。

●岸田首相は「わが国が外国人材から選ばれる国になるという観点にたち、方針に基づいて制度の見直しに向けた作業を進める。外国人材の受け入れ環境の整備に取り組んでほしい」と指示。

※「育成就労制度」については、東京新聞の記事を参照。

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