2/10 (土)、奈良県人権センターにて、「奈良県ヘイトスピーチ禁止条例制定を!第4回学習会」が開かれました。大椿ゆうこは直接参加が叶わなかったので、メッセージを寄せました。
講師を務めたのは丹羽雅雄弁護士。朝鮮学校への補助金カット・高校無償化からの排除や、琉球人遺骨盗骨問題など、日本の戦後補償や植民地主義責任に関わる裁判・市民運動に献身されてきた方です。
丹羽弁護士は、ヘイトスピーチ・クライムの害悪について、「マイノリティへの差別・暴力を浸透させ、マイノリティ及び平等に関する言論を萎縮させ、民主主義を破壊し、ジェノサイドを導く」「ヘイトスピーチとヘイトクライムは連鎖し、人種主義的ヘイトクライムは放置すれば差別と暴力の蔓延、ジェノサイド、戦争へとつながる」と指摘。包括的差別禁止法の制定と、国内人権機関の設立により、政治の側が「差別を許さない」という態度を毅然と示すことが大切だと強調されました。
学習会では、奈良県での長年にわたる市民活動の結果、1997年に「奈良県あらゆる差別の撤廃及び人権の尊重に関する条例」が制定され、2014年に「ヘイト・スピーチ(憎悪表現)に反対しその根絶のため法規制を求める意見書」が全会一致で採択されたことが報告されました。2016年に国会で「ヘイトスピーチ解消法」(本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律)が制定されましたが、ヘイトスピーチ・ヘイトクライムの規制は全く進んでいません。そんな中、地域社会から差別をなくそうと、取り組みを重ねていらっしゃる奈良の皆さんに心から敬意を表します。
包括的差別禁止法制定や、外国人地方参政権を公約に掲げる社民党も、こうした皆さんと一緒に、共生社会の実現に向け努力して参ります。(スタッフ)
大椿ゆうこのメッセージ
社民党・参議院議員の大椿ゆうこです。本日は、集会に駆けつけることが叶わず申し訳ありません。奈良の地で、「ヘイトスピーチ規制条例」の制定に向け、声を上げ続けているみなさんの姿に勇気をもらいます。
昨年9月、自民党の杉田水脈衆議院議員が、自らのブログなどでアイヌ民族を差別する投稿を行ったことについて、札幌法務局が「人権侵害にあたる」と認定しました。札幌法務局は、杉田議員に対して、アイヌ文化を学び、発言に注意するよう啓発を行ったとのことですが、その後も彼女の言動には変化はなく、相変わらず差別的な言動を繰り返しています。
最近では、「群馬の森」にある朝鮮人労働者追悼碑の行政代執行について、SNSで「本当に良かったです。日本国内にある慰安婦や朝鮮半島出身労働者に関する碑や像もこれに続いてほしいです。嘘のモニュメントは日本に必要ありません」と、日本による加害の歴史を歪曲する発言をしています。マイノリティをもてあそび、あざ笑うかのような発言に怒りを禁じ得ません。しかし岸田首相は、彼女を注意することも、処分することもありません。
世の中に蔓延するヘイトスピーチやヘイトクライムの根源は、政治にあると思っています。大阪から始まった朝鮮学校の補助金カットや、高校無償化の対象から外した判断は官製ヘイトそのものです。政治が制度からマイノリティを排除したのです。国会の中は、加害の歴史を歪曲する歴史修正主義者が多くの議席を占め、代表質問の機会を得ればこれ幸いと、外国人やトランスジェンダー等への差別発言を繰り返しています。差別を煽る政治家が、この社会のヘイトスピーチ、ヘイトクライムを拡大させているのです。
社民党の党首をつとめた土井たか子さんは、多くの在日コリアンが暮らす大阪市生野区を訪れた際、「政治は、政治によってしか光が当たらない人たちのためにある。政治家がしてはならないことは、人の心の妬みや憎しみ、差別を煽ること。政治は希望を組織化するものだ」と聴衆に語りかけたそうです。その言葉を忘れず、あらゆる差別を許さない立場で国会の中でも頑張ります。みなさんとともに!
参議院議員/社民党 副党首 大椿ゆうこ