6/14参議院本会議 「ガザ地区における人道状況の改善と速やかな停戦の実現を求める決議」を採択

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6月14日(金)、参議院本会議で「ガザ地区における人道状況の改善と速やかな停戦の実現を求める決議」が過半数の可決をもって採択されました。パレスチナ・ガザ地区での戦闘が終わらず、甚大な人的被害が出ていることについて、「日本として戦争の被害を止める努力をしてほしい」という声を多数頂いております。不十分な点も多いことは承知しておりますが、まずは超党派で決議が可決されたという、「小さな一歩」を踏み出したことをご報告いたします。

同様の決議は先に衆議院でも議決されましたが、参議院の決議は日本国憲法前文の文言、とりわけ平和的生存権の規定を直接引用するものになっています。「日本国憲法の精神に基づいて声を上げる」ということが、参議院の総意として示されたことは意義深く感じております。衆参両院の決議文の違いは、以下の対照表でご確認ください。

【衆議院】

「ガザ地区における人道状況の改善と速やかな停戦の実現を求める決議」

イスラエルとハマス等のパレスチナ武装勢力との間では、武力衝突と停戦が長年にわたり繰り返されている。

昨年十月七日のハマス等によるイスラエルに対するテロ攻撃が発生し、ガザ地区での戦闘が始まってから、約八か月が経過した。戦闘が長期化する中で、子供や女性、高齢者を含む多くの死傷者が発生するなど、ガザ地区は危機的な人道状況にある。

本院は、人質の解放が実現するよう、そして人道支援活動が可能な環境が持続的に確保されるよう、即時の停戦を求めるとともに、それが持続可能な停戦に繋がるよう強く期待する。

また、未だ多くの人々が身を寄せるガザ地区南部ラファにおける全面的な軍事作戦に反対するとともに、人道支援活動が阻害されることのないよう求める。

政府においては、本院の意を体し、人質の解放と停戦が実現するよう、関係国とも緊密に連携しつつ、国際連合安全保障理事会やG7の一員として環境整備に取り組むよう求める。引き続き、ガザ地区の人道状況の改善、事態の早期沈静化のために格段の外交努力を払うべきである。

右決議する。

【参議院】

「ガザ地区における人道状況の改善と速やかな停戦の実現を求める決議」

イスラエルとハマス等のパレスチナ武装勢力との間では、武力衝突と停戦が長年にわたり繰り返されている。昨年十月七日のハマス等によるイスラエルに対するテロ攻撃が発生し、ガザ地区での戦闘が始まってから、約八か月が経過した。戦闘が長期化する中で、子供や女性、高齢者を含む多くの死傷者が発生するなど、ガザ地区は危機的な人道状況にあり、イスラエル国民・パレスチナ人が有する戦争による「恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利」が侵害される耐え難く痛ましい事態となっている。そして、国際社会においては、「人間相互の関係を支配する崇高な理想」の表れとして、人質の解放や一般市民の犠牲を防ぐことを求める多くの声が上がっているところである。

本院は、人質の解放が実現するよう、そして人道支援活動が可能な環境が持続的に確保されるよう、即時の停戦を求めるとともに、それが持続可能な停戦に繋がるよう強く期待する。また、未だ多くの人々が身を寄せるガザ地区南部ラファにおける全面的な軍事作戦に反対するとともに、人道支援活動が阻害されることのないよう求める。

政府においては、本院の意を体し、人質の解放と停戦が実現するよう、関係国とも緊密に連携しつつ、国際連合安全保障理事会やG7の一員として環境整備に取り組むよう求める。引き続き、人間の尊厳と平和主義の理念に則り、ガザ地区の人道状況の改善、事態の早期沈静化のために格段の外交努力を払うべきである。

右決議する。

パレスチナ紛争が昨年10月7日のハマスによる攻撃で始まったかのように表現し、数十年に及ぶイスラエルの軍事植民地政策に言及していないこと等、不十分な点は多々あります。与野党の壁を越えて合意できるよう、本来主張すべきことを盛り込めなかったことは否定できません。

現在日本政府は、イスラエル政府との間に経済連携協定・投資協定等を結んでおり、パレスチナの人々を苦しめるイスラエル政府の経済的スポンサーになってしまっています。最大の問題の一つは、防衛省がイスラエルの軍事企業と攻撃用無人航空機(UAV)の実証実験を行う契約を結んでおり、イスラエル製無人攻撃機の導入を検討していることです。「イスラエルと軍事協力するな!」という声は、引き続き上げていかなければなりません。

一方、衆参両院の決議において、「イスラエルの自衛権」についての言及はなされていません。軍事占領地における被占領者たるハマス/パレスチナ人民に対し、占領者たるイスラエルが自衛権を行使することは国際法上認められないと指摘されています。衆参両院共に、その決議文において、イスラエルの主張する自衛権を正当化したものではないということを、広く知っていただければと思います。

国会内では「超党派人道外交議員連盟」が立ち上がり、与党の議員を交えて、パレスチナにおける人道危機を解決するための議論が行われています。大椿ゆうこも、その一人です。戦争・人道危機を止めるため、国会内で行われている議論についても、ブログで適時お知らせして参ります。

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