共に民主党~北東アジアの平和のために~
共に民主党出身で、第22代国会議長に就任された兎元植(ウ・ウォンシク)氏と懇談した後、共に民主党所属の李庸瑄(イ・ヨンソン)、金容萬(キム・ヨンマン)、李寿珍(イ・スジン)各国会議員と意見交換しました。兎議長は、国会議員時代、福島原発の核汚染水海洋投棄に抗議する断食を行った方です。議長との懇談の中では、汚染水放出中止のため引き続き連携することの他、韓日間の歴史問題や、北東アジアにおける平和構築について議論しました。兎議長は村山談話について記憶しており、弁護士時代に従軍「慰安婦」問題について取り組んできた福島党首の努力を評価するとした上で、歴史を継承することは未来を作るために大切だとの考えを示されました。
共に民主党の3人の国会議員とは、北東アジアの平和の他、労働問題、とりわけ「危険の外注化」と呼ばれる、下請労働者や外国人労働者に危険・劣悪な仕事を押しつける社会構造の問題について議論しました。共に民主党としては、韓米日の軍事協力が深まる一方、朝鮮民主主義人民共和国・ロシアも軍事同盟に準じる関係を結ぶなど、北東アジアの緊張が高まっていることに危機感を持っており、韓半島の非核化を目指す姿勢に変わりはないということです。
また、歴史問題については、韓国国会議員10人が連名で6月20日に岸田総理に対し、教科書における日本の植民地・戦争責任の歪曲・矮小化問題、佐渡金山の世界遺産推薦問題、浮島丸事件の真実究明等について書簡文を送ったことが明らかにされました。対する福島党首は、厚生労働省から浮島丸事件の乗船名簿の複写を入手し、韓国政府が日本政府に正式要請すれば乗客の名前のマスキングを外せると言っているとして、韓国側に日本政府への要請を行うよう求めました。
正義党~院外政党からの再出発~
進歩政党との交流の締めくくりとして、正義党の權英國(クォン・ヨングク)代表、姜恩美(カン・ウンミ)元国会議員、李恩周(イ・ウンジュ)元国会議員・政務室長、文晶垠(ムン・ジョンウン)副代表、嚴貞愛(ウォン・ジョンエ)副代表、羅順子(ナ・スンジャ)事務総長と懇談を行いました。懇談の中では、急速な少子化、家父長制、外国人労働者の人権侵害等、両国間には共通の課題が多く存在することが改めて確認されました。
韓国は2023年の合計特殊出生率が0.72と世界最低を記録しています。その少子化の背景には、住居価格の高騰、出産に伴う女性のキャリア断絶、育児に対する支援の不足、競争社会ゆえの私教育の負担に加え、男女の賃金格差が大きい(OECDによると女性の賃金は男性の68.8%)ため、女性の低賃金・男性の長時間労働が固定化されていることがあるとのことです。
また、韓国における外国人労働者受け入れ制度である「雇用許可制」については、外国人労働者側が事業場を変更出来る理由を制限し、変更回数を3回以内に限定する結果、奴隷労働を生んでいることが紹介されました。外国人求職者と事業所とを政府がマッチングする雇用許可制は日本の技能実習制度より良いかのように言われがちですが、日本の技能実習制度と全く同じ問題が起きていることに、社民党の一同は驚きの声を上げました。
今年の総選で議席を獲得できず院外政党となってしまった正義党からは、現在の国政が共に民主党と国民の力との二大政党制になり、両者が攻撃し合う結果、政治が民政と乖離しているとの懸念も示されました。大統領弾劾運動で、野党が大きな連帯を作っていることについても、安保問題のような重要事項における差異を包み隠してしまうのではないかという不安も聞かれ、日本の野党共闘のあり方に葛藤する社民党と共通の悩みが見られました。正義党の事務所には「다시 시작(再スタート)」と書かれたボードがあり、党の再建のための意気込みが見えました。