賃金未払いを許さない!
大椿ゆうこ/ 大手脱毛サロン「ミュゼプラチナム」の賃金長期未払問題について、大臣は認識しているか?
福岡大臣/ 報道等については認識しているが、個別の事案について答えることは差し控えたい。その上で、厚生労働省としては、賃金の不払は労働者の生活の根幹を揺るがす問題であり、あってはならないものと考えている。労働者から賃金不払等に関する相談を受けた場合は、労働基準監督署において監督指導を実施し、労働基準関係法令違反が認められた場合には、是正されるよう粘り強く指導しているところであり、引き続きしっかりと対応していきたい。
大椿ゆうこ/ ミュゼプラチナムは、業績が悪化したことに伴って経営主体・株主が入れ替わり、2024年11月から賃金の未払が始まり、2月以降は一切振り込まれていない。その規模は報道によると約2300人・未払総額15億円とされているが、従業員の方からは3000人にはなるんではないかという話もあった。その間も経営権の争いが続き、本年3月31日には解雇の連絡が予告なしで突然社員向けのズーム会議で発信され、給与が払えない分は失業手当と未払賃金立替払制度で補うようにと提案された。しかし、その3日後の4月3日、社員向けの動画配信で、解雇ではなく退職勧奨だというふうに言い換えてきたとのことである。3月22日から新たな経営体制への移行を理由に全国の店舗が一斉に一時休業になり、全国で160店舗以上あったお店が10店舗ほどにまで縮小されるという予定だということだ。営業再開は延期され、コース契約を結んだ顧客にも被害が及んでいる。それにもかかわらず、会社が倒産する意思を見せないため未払賃金立替払制度の適用にならず、労働者が苦境に陥っており、直接私まで連絡をしてこられた。また、労働者側が裁判所に破産手続開始を求める展開にもなっている。
5月12日に従業員の有志の方々が議員会館を訪れ、厚労省及び消費者庁の担当者と面談を行った。大臣はその報告を受けているか。報告の内容と、それに対する所感を答えて欲しい。
福岡大臣/ 面会については、昨日、職員から報告を受けた。5月12日、大椿議員を介してミュゼプラチナム従業員有志18名から賃金不払への救済等について要請があり、厚生労働省の職員が対応したこと、また面会では、大椿議員の進行の下で要請書の項目に沿って厚生労働省から回答を行っており、大臣宛てに個別報告を求められるものではなかったと承知している。
大椿ゆうこ/ この面談を受けて厚労省側はどのような対応を取ったのか。全国の監督署や安定所に、どのような連絡を行ったか。
政府参考人[厚労省]/ 個別の事案における対応については回答を差し控えたいが、一般的に、様々な機会を通じて職員が得た情報について、その内容から労働基準監督署や公共職業安定所での対応が必要と考えられる場合には、管轄する都道府県労働局に情報提供をしている。
大椿ゆうこ/ 個別の問題については答えられないとのことだが、厚生労働省から私の元に、雇用保険の迅速な至急のため、ミュゼプラチナムの方々が相談に行ったときにはきちんと対応するよう、都道府県労働局を通じて各ハローワークに伝達したと報告が届いている。
ミュゼプラチナムは、運営会社や親会社が次々変わり、現在の運営会社MPHが事業を引き継いだのは2024年9月からだ。しかし、事業・従業員・顧客は継続している。未払賃金立替払制度の適用可否を判断するに当たり、一年未満の事業とされて門前払いされるのではないかと懸念している。法人の事業期間を形式的に見るのではなく、事業の実態を見て事業年数を判断すべきであると考えるが、どうか?
政府参考人[厚労省]/ 未払賃金立替払制度は、未払賃金のうち一定範囲のものを事業主に代わって政府が弁済する制度である。この制度の対象となる事業主は、労災保険の適用事業の事業主であり、一年以上の事業活動を行っていて、倒産(※事実所の倒産を含む)したことが必要となっている。1年以上の事業活動の要件については、例えば、債権債務の全てを包括承継している等の場合には実質的に継続性があると判断され得るなど、運営主体となる会社が変更したことのみをもって直ちに前の運営会社の事業活動からの継続がないとの判断は行っていない。
大椿ゆうこ/ 5月12日の面談の際、従業員からは、「本当に1月からお金もらっていないんです」「米価・物価だって上がっていますし、食べるのに精いっぱいです」「中には車を売ったりしたスタッフもいます」という切実な状況が厚労省職員に伝えられた。何か月も賃金が払われていない労働者を、どのように救済をするつもりか。労働者の早期救済のために未払賃金立替払制度を使えるようにできないか。
政府参考人[厚労省]/ 破産法に基づく破産手続開始決定等があった場合については、法律上の倒産状態にあるものとして、未払賃金額等について破産管財人等の証明を受けて立替払手続が行われる。また、中小企業の場合は(※ミュゼプラチナムも該当)、労働者から事実上の倒産の認定申請がなされた場合、労働基準監督署が必要な調査を行い、認定の可否を判断した上で立替払手続が行われている。この調査においては、①事業活動が停止している、②再開する見込みがない、③賃金支払能力がないといった要件に該当しているか判断している。
大椿ゆうこ/ 従業員の方々が破産手続き開始の申し立てを行っており、裁判所の判断の結果によっては立替払制度を早い段階で利用できるかもしれないが、現段階では何も対応策がない。4か月も賃金が払われない、収入がないと、暮らしていけない。従業員の方は、本当に切実な思いで大椿事務所に来られた。社長の動画を今朝見てきたが、「賃金は払う」「倒産・破産は会社の意思ではない」ということを言っている。会社が倒産・破産すると言えば未払賃金立替払制度を使えるのに、社長が事業を継続する意思を持っているがために(事実上の倒産が認定されず)使うことができず、未払賃金を取り返すことができないという苦境に置かれている。そもそも会社側に、しっかりと賃金を支払わせるべきで、これ以上労基法違反の賃金未払状態を放置してはいけないと私は強く思っている。三田監督署は会社に対して是正勧告を出したと聞いているが、一般論として、このような事業所に対して大臣はどのような指導を行うのか。
福岡大臣/ 労働基準監督署においては、賃金不払等の労働基準法違反が認められた場合にはその是正を指導をしている。また、こうした指導にもかかわらず法令違反を是正しないなど重大・悪質な事案に対しては、送検する等、引き続き厳正に対応していきたい。
大椿ゆうこ/ 今朝、MPH社の高橋英樹社長から私のインスタグラムにコメントが入り、「人の会社を使って売名行為をするのはいかがなものですか、うちの社員は票集めの道具ではない」というコメントが入った。今日の質問のことを、社長は大変気にされているのかと思うが、だったら未払賃金とっとと払えと私は思っている。今苦境に立たされている従業員の数は二千人を超えているという状況で、大きな問題だと思うので、厚労省・監督署においても厳しい態度で臨んで頂くことを求める。