3月13日、厚生労働委員会の報告第4弾、最後は「大椿ゆうこが国会にいる一番の理由」である、非正規雇用の規制について。無期転換・正社員化だけに対策を限定し、「入口規制」の議論を再開しようとしない政府に対し、「出口規制」だけでは意味がない、「入口規制」が必要だという考えをぶつけました。
非正規雇用「入口規制」の議論を!
大椿ゆうこ/ 大臣は非正規労働者を減らすために一番効果的な方法は何だと思うか?
福岡大臣/ 待遇の改善など色々な方法があると思う。
大椿ゆうこ/ どこの段階から待遇改善するのか? 一旦非正規労働者になった人の待遇改善か?
福岡大臣/ 正社員の職場環境を良くして、そこの受皿を広げていくことで、より多くの方にそちらに行って頂けるようにする。(※意味が取りづらいが、恐らくは正社員の待遇改善と正社員への移行を進めたい、という趣旨だと思われる。)
大椿ゆうこ/ 大臣に聞く。そもそも非正規労働者として雇わなかったら、非正規労働者は増えないと思わないか?
政府参考人[厚労省]/ 政府としては、正社員になりたいという人にしっかり正社員になって頂くことを進めている。例えば、正規社員への転換に取り組む事業主への助成金、在職中の非正規雇用労働者に対するリスキリング、またハローワークにおいてのきめ細かな就職支援を進めているほか、多様な正社員制度の普及促進に取り組んでいる。
福岡大臣/ 政府としては、多様な働き方があるということの中で、非正規の方々の処遇の改善や職場環境の改善をしっかり図っていくということだと思う。

大椿ゆうこ/ 非正規労働者を増やさないためには、非正規雇用にして良い仕事を就職・採用段階で限りなく限定的なものにしていく「入口規制」が必要だと思う。私は当事者として、政府が言うような非正規から正規への転換が非常に難しいということを経験してきた。だからこそ、「入口規制」が必要だ。そもそも、最初から非正規雇用を増やさなかったら、非正規労働者増えない。このことについて議論をやめているということが問題だ。
日本労働弁護団が2016年10月7日に出した「非正規雇用の「入口規制」と「不利益取扱い禁止」に関する 立法提言骨子案」には、①休業又は欠勤する労働者に代替する労働者を雇い入れる場合、②業務の性質上、臨時的又は一時的な業務に対応するために、労働者を雇い入れる場合、③一定の期間内に完了することが予定されている事業に使用するために労働者を雇い入れる場合以外については、有期労働契約の締結を認めないということが記されています。それについて、大臣はどのような考えか?
福岡大臣/ 「入口規制」については、政府としては導入すべきとの考えには立っておらず、現行の無期転換ルールにより有期契約労働者の雇用の安定を図ることを目指していきたい
大椿ゆうこ/ 昨年私はパタゴニアの労働争議に関する質問で取り上げたが、使用者が無期雇用転換ルールを守らず(※もしくは、無期転換申し入れ権の発生直前で)雇い止めすることが実際に起きている。また、無期雇用転換は、期限の定めがなくなるだけで、正規雇用になる訳ではないため、労働条件が(正社員と同じ水準まで)良くなるという話でもない。これでは根本的な解決にならないと思うが、大臣の考えは?
福岡大臣/ 不適正な運用がされていることについては、現行のルールがしっかり運用されるようにしていく。
大椿ゆうこ/ 私が国会議員になって一番やりたいことは、「入口規制」の議論をもう一度復活させ、そもそも非正規労働者を増やさないための法制度を議論をしていくことだ。福岡大臣とは、是非同じ就職氷河期世代の一人として、非正規雇用の拡大に歯止めを掛けるために一緒に議論をしていきたい。
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