3月13日、厚生労働委員会で質問に立ちました。第217回国会最初の質問は、45分間!長い時間をじっくり使い、ずっと取り組んできた長生炭鉱、及び労働問題(最低賃金、関西生コン弾圧、非正規雇用入口規制)について質問しました。
長生炭鉱については、大臣は従来通りの答弁を繰り返すのみで、現地視察にすら後ろ向きでした。大椿ゆうこは、「政府が出来ないと言っていることを市民がやっている」「事故が起きても政府の責任が問われる」と、せめて現場視察や市民団体との面談から検討すべきと求めました。
まずは長生炭鉱の現場視察を
大椿ゆうこ/ 長生炭鉱水没事故犠牲者のうち、朝鮮半島出身者の遺骨について担当している厚生労働省人道調査室の来年度(2025年度)予算は?
政府参考人[厚労省]/ 日本国内で既に寺院等に保管されているご遺骨について、返還することができるようになったときの一時保管費や交通費などの諸経費として、1236万円余りを計上している。
大椿ゆうこ/ この間、人道調査室の予算は殆ど執行されていないことを確認しておく(※以下は厚労省より提出された資料)。
大臣は、2月28日に市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」が上京して提出した要請書を受け取り、中身を把握しているか?
福岡資麿厚生労働大臣/ 2月28日の要請書については、事務方から報告を受け、現状を把握している。
大椿ゆうこ/ 大臣はこの要請文にどう対応するか?
福岡大臣/ 引き続き関係する議員の方々や団体の方々のお話をよく伺いながら丁寧に状況を把握するよう指示した。
大椿ゆうこ/ 「刻む会」の方に回答するつもりはあるか?
福岡大臣/ まず丁寧に状況を把握することが大事だと考えている。
大椿ゆうこ/ 状況を把握するなら、是非現地に来て欲しい。要請書の中にも、政務三役の現地視察と、厚労大臣との懇談の場の設定、また坑内の状況を唯一把握するダイバーとも面談が書かれている。まず現場に行くことなら出来るのではないか。
福岡大臣/ 長生炭鉱のご遺骨は、位置・深度等が明らかでなく、80年以上も前に落盤事故が発生した海底の坑道に潜水して調査・発掘することについて安全性に懸念もあることから、実地調査という実務に照らして対応可能な範囲を超えていると考えている。そのため現時点で現地を訪問することは考えておらず、引き続き丁寧に状況を把握していきたい。懇談等につきましても、まずはその事務方を通じて丁寧に状況を把握していきたいと考えています。
政府が出来ないということを、市民がやっている
大椿ゆうこ/ 政務三役が無理なら人道調査室の人を派遣するということも出来ると思う。一度も現場を見ずに安全性に不安があると繰り返し言われていることに、市民団体の皆さんは疑問・不満を持っている。この間、政府は対応可能な範囲を超えているとして、遺骨収容に向けた調査に消極的な態度を示している。しかし、政府が対応可能な範囲を超えているということを、市民が2000万円以上お金を集めて、調査を行っている。政府が対応可能な範囲を超えているということを市民がそれでもやっていることの重みを、是非大臣には感じていただきたい。安全性を理由にするならば、まずは現地を訪れ、現地をご自身の目で確認して頂きたい。
また、人道調査室には毎年1000万円以上の予算が付けられている(※以下は今年度の人道調査室に係る概算要求)が、殆ど執行されていない。これを長生炭鉱の調査・工事に充ててほしいと言っても、流用出来ないの一点張りだ。予算の使途が法律で限定されているわけではなく、あくまでも概算要求の項目に長生炭鉱を入れていないというだけなので、政治判断で長生炭鉱の予算を確保することは可能なのではないか?
福岡大臣/ 人道調査室の予算については、日本国内で既に寺院等に保管されているご遺骨について、返還することができるようになったときの一時保管費や交通費等の諸経費であり、長生炭鉱の安全性向上のための工事費等の経費に使うことは困難だ。
大椿ゆうこ/ 万一調査中に事故が起きても、その責任を問われるのは(市民の活動に頼り切っていた)政府だと思う。水に浸かっていた坑口が空気に触れ、急激に劣化が進んでいる。調査は先延ばしに出来ない。早期に対応をしなければいけないということ、何か起きれば国の責任が問われるということを大臣に改めてお伝えする。また、大臣には「刻む会」の皆さん、そしてダイバーの皆さんと面談する機会を、是非とも検討して頂きたい。
※長生炭鉱部分の動画はこちら