漫画家・弘兼憲史氏が、「社外取締役 島耕作」の中で、辺野古新基地建設反対運動に関わる市民が日当を支払われているとのデマをあたかも真実のように書いていた問題。弘兼氏は、防衛省の広報アドバイザーを務めることから、防衛省の辺野古新基地建設反対運動に対しての姿勢も問われる問題となっています。
あいにく選挙期間中のため、防衛省に直接回答を求める機会がありません。そこで、取り急ぎ、防衛省に質問状を送付しました。回答期限は10/25(金)としておりますので、回答があり次第ご報告いたします。
<追記> 防衛省から回答期限を延長したい旨の申し出があり、10/29 (火)に回答を受領致しました。赤文字で記載している事項が回答の内容です。回答を受けた今後の対応は、こちらで検討中です。
防衛省広報アドバイザー・弘兼憲史氏による辺野古新基地建設反対運動に関する誤情報の発信についての質問状
10月17日発売の週刊漫画誌「モーニング」(講談社)に掲載された「社外取締役 島耕作」において、作者の弘兼憲史氏が辺野古新基地建設に反対する市民に「アルバイトでやっている人がたくさんいますよ」「私も一日いくらの日当で雇われたことがありました」「抗議活動をしている人達の中には県外から来る人もいると聞いたことがある」との台詞を語らせ、辺野古新基地建設に反対する市民があたかも雇われているかのような誤情報を広げた事件(以下、単に「本事件」という)がありました。弘兼氏は講談社と連名で謝罪を掲載し、単行本掲載時には内容を修正するとしましたが、新基地建設反対運動の真正性を根拠なく貶める表現が広く出回ったことは大変遺憾です。
とりわけ、弘兼氏は防衛省広報アドバイザーを務めており、氏の発言が防衛省の公式な立場を表すものと受け取られるのではないか、或いは氏が誤った事実認識に基づいて防衛省の広報活動に対する助言を行っているのではないか、等の懸念を抱きます。本事件について、防衛省の認識を質問致しますので、10月25日(金)までにご回答下さいますよう、宜しくお願い致します。
1. 防衛省広報アドバイザーが誤情報を発信したという本事件について、防衛省としてどのような認識を持っているか。
弘兼氏の連載内容ついて、防衛省としてお答えする立場になく、コメントは差し控えさせていただく。
2. 「辺野古新基地建設反対運動に関わる市民は日当を支払われている」という言説に関し、防衛省はどのような見解を持っているか。
お尋ねについては、防衛省としてお答えする立場になく、コメントは差し控えさせていただく。
3. 広報アドバイザー、また弘兼氏に対し、防衛省は自らが進める施策、またそれに反対する市民の運動等について、レクチャー等を行うことはあるか。とりわけ、辺野古新基地建設反対運動や沖縄の平和運動について、レクチャー等は行っているか。行っている場合、沖縄の運動に関してどのようなことを教えているのか。「運動に関わる市民は日当を支払われている」趣旨のことを伝えているのか。
弘兼氏に対しては、防衛産業の現状や基盤強化施策に係る説明を実施しているが、その詳細なやりとりについては相手方との関係もありお答えすることは差し控えさせていただく。
いずれにせよ、広報アドバイザーとして、これまで、普天間飛行場の代替施設を含め、弘兼氏との間で自衛隊施設や米軍施設に関する説明や意見交換の実績はない。
4. 本事件を受け、防衛省はどのような措置を執るのか。弘兼氏に対しては、指導や訓告、または広報アドバイザーからの解任等の処分を行う予定はあるか。
弘兼氏の連載内容については、防衛省としてお答えする立場になく、コメントは差し控えさせていただく。なお、弘兼氏の防衛省広報アドバイザーの指定については、2025年5月31日までの指定で合意しているところ、現時点ではこれに変更はない。
5. 防衛省が広報アドバイザーに、基地問題を含め防衛省の施策に関連する内容についての表現や発信を依頼することはあるか。今回の弘兼憲史氏の表現は完全に本人の事実認識の誤りによるものなのか、或いは防衛省から働きかけを受けこのような表現を行ったのか、どちらか。本事件の原因について、防衛省として内部調査を行う予定はあるか。
弘兼氏に対しては、広報アドバイザーとして、これまで、普天間飛行場の代替施設を含め、自衛隊施設や米軍施設に関する説明や意見交換の実績はない。
また、弘兼氏の連載内容については、防衛省としてお答えする立場になく、コメントは差し控えさせていただく。
6. 防衛省は広報アドバイザーに対し、報酬を支払っているか。支払っている場合、その額・体系(日当か、月給か、出来高制か、等)を示されたい。
防衛省広報アドバイザーには、広報活動への協力に要した交通費等のほか、必要に応じて謝金(時給20,900円)もお支払いする場合もあるが、弘兼氏に対する支払いの実績はない。
質問状のPDFはこちら
回答書のPDFはこちら