政治家の姿勢が、働き方を変える
和田/ 都知事選の話の際にも触れましたが、公務職場を正規化すれば街は変わると思います。
大椿/ 大阪にお住まいの方は、それを実感していらっしゃると思います。橋下徹さんが大阪府知事になったとき、真っ先にやったのは公務員バッシングでした。どんどん公務職場が疲弊し、非正規化が進みました。私の労働組合は、大阪府知事・市長を務めた橋下さんから断交拒否をされました。弁護士資格を持つ人が、労働法を守ろうともしない。そんな人が首庁になると、公務職場が廃れ、みんなが気力を奪われるのだと実感しました。
和田/ しかし、公務職場が廃れると、住民みんなが必要なサービスを受けられなくなります。住民全員の問題ですよね。
大椿/ そうです。住民サービスの低下につながりますし、団体交渉で橋下さんのような発言をする使用者が増えたと当時感じました。使用者は、政治家がどのような言動をするかをしっかり見て、それを取り入れています。政治家が「労働法制を守ります」と明言することで、公務職場でなく、地域全体の働き方に対する意識が変わると思います。
和田/ 会計年度ごとに毎年面接をするなんて、意味がわかりません。公務員の方が、来年もここで働けるのかとドキドキしながら働くなんて、おかしいと思います。
大椿/ 経験のある人を継続して雇うことは、本人の雇用の安定に資するだけでなく、一緒に働く同僚にとっても無駄がありません。会計年度任用職員については、現場の人からも相当批判が出ています。総務省は自分たちが作った制度で何人の公務員が首切りに遭ったかすら調べようとしませんが、調べようと思えばすぐできるはずです。実態を調べ、公務職場を正規化することが、民間での雇用の安定にも繋がると思います。
「おじさん政治」の脱却を!
和田/ 私はなるだけ国会議員に対して、全然知らない人でも、リアルでもSNSでも疑問をぶつけることにしています。おじさん議員は、自分は偉くて誰も何も言ってこないと思い込んでいると思うので、私たちの方から「私たちの代表なんだから偉ぶらずもっと働け」と、臆せずにもっと言って良いと思います。
大椿/ 国会に行って、改めて日本の社会は男たちに牛耳られ、がんじがらめになっているという実態を感じました。とりわけ私は首を切られた非正規労働者として、非正規労働者の声を届けたいと思って国会議員になりました。皆さんの声が政治を変えると思いますし、皆さんの疑問や怒りが私の国会での質問になります。是非皆さんと一緒に、政治を変えていきたいです。