4月7日(月) 決算委員会全般質疑(TV入り)で質問 長生炭鉱について、総理から重要な答弁を獲得!

国会活動(委員会議事録)

総理に迫る!

大椿ゆうこ/ これは、市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」(「刻む会」)が手弁当で行った事業の収入と収支である。2023年12月8日の「刻む会」との交渉の場で、人道調査室が実地調査ができる範囲を寺院にこだわっていたため、これではらちが明かないとクラウドファンディングで資金を調達し、坑口を見つける工事を行い、水中探検家・伊左治佳孝さんの協力で今まで3回の潜水調査を実施した。4月1日~4日まで3回目の潜水調査が行われ、韓国人のダイバー2人が参加した。国より先に民間の方で日韓共同事業が行われている。潜水調査は非常に特殊な技術なので費用も掛かるし、坑口が開けられ空気と触れた瞬間劣化が進み、坑口の補強工事にも多くのお金がかかる。今後も工事と調査を進める場合、更に1500万円の資金が必要になると「刻む会」は見積もっている。石破総理は、長生炭鉱の遺骨収容に関し、政府が全国の市民の良心と市民団体の活動に頼り切っていることについてどのように認識しているか? また、人道調査室の予算の使途が法律で定められている訳ではないのなら、政府の判断で予算の使途を変更し、長生炭鉱の遺骨収容・調査のために充てることも検討して頂けないか?
石破茂内閣総理大臣/ 市民団体の方々との意見交換というものは、昨年度6月、11月、2月に、またダイバーの伊左治佳孝さんとは昨年12月に意見交換したと報告を受けている。閉鎖された空間なので何か起きた場合でも浮かび上がることができない、また、かなり深いところなので水の透明度が全然良くない、再崩落する可能性もあるという話があったと聞いている。途中で坑道が崩落している可能性があり、それ以上進めなかったとも聞いており、関係者の方々の話を踏まえると、安全性において相当の懸念がある状況だと承知している。いずれにせよ、引き続き丁寧に意見交換を続ける必要がある。私は専門的な知識を有していないが、そういうことに(費用が)どれだけ掛かるのか、国としてどういう支援を行うべきかということについては、更に政府の中で検討したい
大椿ゆうこ/ 総理の答弁で、「関係者」というのは誰を指すのか?
福岡資麿厚生労働大臣/ 厚生労働省の人道調査室において、市民団体(「刻む会」)の方、また潜水調査をされたダイバーの方と意見交換をしたということだ。

政府はまず現場に行け!

大椿ゆうこ/ お話は聞いて頂けたが、人道調査室の方や福岡厚労大臣が現場に訪れ、現場の様子を見たことはない。その段階で、対応可能な範囲を超えているという答弁を繰り返されている。私たちも危険性を理解していない訳ではない。様々な危険性が考えられる中で、それでも今市民がお金を出して潜水調査を行い、ご遺骨の収容ができないかということを取り組んでいる。政府が対応可能な範囲を超えているということを市民がやっていることについて、政府はどう考えているか?
石破総理大臣/ それは尊いことだと思っている。危険があることを政府が承知していながら、市民団体の自己責任ですからね、ということをを言うわけにもいかない。技術は進歩するものなので、いかにして安全に作業をしていただけるかということについて、政府としても、「これは勝手にやってください」という話にはならぬと思っている。ご遺骨が安全な作業によって発見される、そして遺族の元へ還っていくということの重要性は私自身よく認識しているが、作業において安全を期すというのもまた当然のことである。
大椿ゆうこ/ 安全を期すために、市民だけでやるには限界が来ていると思う。財政的なものに加え、政府であれば色々な知見を集めることが出来る。なので、是非国として今動くべきだと思うが、少なくとも現場行ってみるという考えはないか? 現場に行き、長生炭鉱を直に見て、その上で市民団体と話して対応策を考える。「勝手にやってくれということではない」ということであれば、放っておけないと総理は思ってくださっていると思うので、何らかの対応を一緒に考えて頂きたい。安全にご遺骨の収容が出来るよう、知恵と財政的な面での支援を求めているが、総理の考えは?
福岡資麿厚生労働大臣/ 坑道に潜水して調査・発掘することについて安全性が懸念があるということは、ダイバーさんもおっしゃっていることであり、実地調査という実務に照らして対応可能な範囲を超えている。そのため、現時点で現地を訪問することは考えていないが、引き続き関係者との意見交換は続けていきたい。
石破総理大臣/ 必要があれば現場に赴くということも、私は選択肢としてあるのだと思っている。「いや、危ないですからね」「自己責任ですよ」という訳にはいかない。もちろん厚労省もプロなので、色々な数字を分析をしながら、「危ない」「作業もこれ以上困難」と言っているのだと思うが、現場を見た方がより正確に事態が把握できる、あるいは関係者の方々のご納得を得られるということであれば、私は躊躇すべきだと思っていない。いずれにせよ、ご指摘を踏まえ、どういうことが必要かということは政府が責任を持って判断をさせて頂きたい。
大椿ゆうこ/ 現場に行くことが必要であれば躊躇しないというご答弁に感謝する。3回目の潜水調査で、坑道は途中で落盤しており、側道を探そうにも坑内は視界が悪く、木材がジャングルのように折り重なっている状態だということが判った。その上で、ダイバーの伊左治さんは、「今一番可能性と安全性が高いのはピーヤだということがはっきりした」と言っている。ただ、ピーヤには色々な構造物があるため、「刻む会」はクレーン台船をチャーターして構造物を引き揚げ(※4月17日に実施済み)、6月にはピーヤからの調査を行おうと計画している。

ここまで、市民の方の動きが早まっている。長生炭鉱の状況を見てみると、余り先延ばしにできない。伊左治さんも、(どんどん坑口が劣化するため)先延ばしにしていいことは何一つないと前回の面談で仰っていた。この調査を進めていくための具体的なプランが市民団体側で既にできている。総理には是非力を貸して欲しい。まずは、福岡厚労大臣を現地に行くよう指示して頂けないか。
石破総理大臣/ 福岡大臣は剣道の達人だが、潜水の達人だという話は寡聞にして聞いたことがない。仮に現地に行くと、やはり安全上の問題があり、伊左治さん以外が入るのはとても難しいと言われている。仮に入ると判断しても、ピーヤからしか入れない。これもそんなに大きなものではないので、一人しか入れないということになると、何か事故があったときにどうするのかという議論もあると聞いている。専門的なことなので、厚生労働省において適切な判断する(※福岡大臣に潜水しろと要求したと誤解…?)。いずれにせよ、実際に市民団体の方々にご納得を頂くということは大事なことなので、そのために何が必要なのかということになる。現場に行って見るということも、潜水の専門家が見ないと判らないことはたくさんある。私も防衛省の仕事をしており、潜水艦救難の色々なケースでそういうような話は聞いてきた。そういう専門の方々同士の話合いから活路が開けていくということもあるのではないか。その辺りは厚生労働大臣が責任を持って判断をする。
大椿ゆうこ/ 私は何も福岡厚労大臣に坑口の中から潜ってくれとは言っていない。市民団体の方は、一度も現場を訪れずに、福岡厚労大臣が対応可能な範囲を超えているという答弁を繰り返すことに大変憤りを感じている。難しさは理解しているが、政府がこの現場に来て、どういう状況なのかということをまず見てもらいたいと市民の方々は求めている。まず現場を見てもらうことが大事だ。厚労大臣または人道調査室の方に現場に来て貰うくらいのことは出来るできるのではないか?
石破総理大臣/ 失礼しました。福岡大臣が潜ると言った訳ではないが、十分な知見を持っていないということだ。そこで、市民団体の方々が尊い志を持って、自費を持ち出し、或いはクラウドファンディングをしてまでもこういうことをやりたいと仰っている。そういう方々にご納得頂くために、国はいかなる責任を果たすべきかということだ。そのことも併せて、福岡大臣を中心に政府として判断をしていく。
大椿ゆうこ/ この事業に国が関わることによって、たくさんの知見が集まる。一般市民では十分にネットワークを広げられない中、石破総理が声を掛けてくれれば、様々な知見を持った方々が集まり、長生炭鉱の遺骨収容事業を進めることができると思う。市民の方々はしたくてやっているというより、国がしないからやっている。本来なら国が取り組むべき事業なのではないか。
今年は戦後80年。長生炭鉱の問題だけでなく、空襲被害者の問題等、様々な未だ解決出来ていない戦後補償の問題がある。長生炭鉱はこの一つだと思うので、総理には引き続き前向きに検討して頂きたい。
※石破総理とのやりとりの動画はこちら

※質疑全体の動画はこちら

タイトルとURLをコピーしました