2023年12月28日に政府が県に代わって設計変更申請を承認する「代執行」を受け、今年1月10日から大浦湾側埋立てに係る海上ヤード造成工事が始まりました。この工事で大量の石材を海に投入していますが、その際白塵が舞い上がっています。
埋立変更承認申請に基づけば、石材は150秒洗浄してから投入されるはず。 本当に洗浄されたなら、こんなに白塵が舞い上がるのはありえません。「防衛省は本当に石材の洗浄がされたと確認しているのか」「洗浄がされたのに白塵が舞い上がるのはおかしいのではないか」と厳しい追及がされました。 防衛省は「150秒間洗浄されていると承知している」と応えましたが、具志堅さん側は、「本当に沖縄防衛局の職員が洗浄作業をチェックしているのか証拠を出せ」と要求しました。
仲井真元知事が埋め立てを承認した際、「工事の実施設計について事前に県と協議を行うこと」「工事中の環境保全対策等について実施設計に基づき環境保全対策などについて詳細検討し県と協議を行うこと」等5項目の留意事項を付けました。 既にして環境に大きな影響を与える工事が始まっていますが、防衛省は「海上ヤード造成工事は沖縄県が求める事前協議の対象外」として、県の要求を無視し、工事を強行しています。具志堅さん側は、「石材が洗浄されているかも全く信用できないので、せめて県と協議くらいすべきだ」と求めました。
交渉の最後には、ご遺族と具志堅さんが防衛省の担当者の前に出て、「南部を採取地から外して欲しい」と改めて訴えました。ご遺族の一人は、南部土砂の写真を見せ、鉄の暴風によって粉砕され、戦後風化を受けたご遺骨は粉々になっており、素人目には細かな石と区別がつかないことを示しました。戦没者の尊厳と、肉親の遺骨の帰りを願うご遺族の気持ちを第一に考え、防衛省は今からでも南部土砂の不使用を決断すべきです。
今回の防衛省交渉参加者からは、国会議員がもっと沖縄島南部からの埋め立て材採取の諸問題を追及するようにとの声も上がりました。 専門的な内容も多くなりますが、出来るだけ多くの方に、判りやすく問題を伝えられるよう、私たちも努力を尽くします。
<具志堅さん側から出した質問>
<防衛省からの回答>